明日の朝には断頭台

164 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 21:14:47 ID:/I8YLJN20
7.明日の朝には断頭台 20140928KB

( ФωФ)「……」

[TV]<さあ阪神タイガース、伝統の一戦、ここを抑えれば一気に優勝が見えて参ります。

( ФωФ)「ふん、点差は一点。ランナーはあれど、我がチームには不動の守護神がおるのだ」

[TV]<九回裏、ツーアウト二塁……マウンド上のピッチャーが額の汗を拭う。

( ФωФ)「この打者はインハイに直球を投げておけば余裕だ。データ的にも明らかであると言える」

[TV]<さあ、キャッチャーがインコースに構えた。

( ФωФ)「うむ」

[TV]<ピッチャー、セットポジションから……今、投げました!

( ФωФ)「そこや!」

[TV]<カッキィィィィィィィィィイイイイイイイイン

( ФωФ)「あ」

[TV]<ああ、これは! なんということでしょう! ライト、ただ上を見上げるだけ――!

[TV]<入りました! ジャイアンツ、九回裏、勝負を決める代打の逆転サヨナラホームラン!

( ФωФ)「……」

[TV]<守護神、ただただ呆然と立ち尽くしている……ボールはキャッチャーの要求通りだったのですが……。

( ФωФ)

( ФωФ)

(#ФωФ)「せやからアウトコースに落ちる球や言うたやろ!」

165 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 21:17:33 ID:/I8YLJN20
<コンコン

(#ФωФ)「相手も対策ぐらいしてくるやん! そこは裏をかく配球にしといたらよかったんや!」

<ガチャ

(゚、゚トソン「失礼します」

(#ФωФ)「もうええ! 我輩が監督やる!」

(゚、゚トソン「ご主人様」

(#ФωФ)「悪いことは言わん! 年俸は一千万でええぞ!」

(゚、゚トソン「ご主人」

(#ФωФ)「ろーっこーおーろーしにー!」

(゚、゚トソン

(゚、゚トソン チッ

(゚、゚トソン「ご主人様、わたくしです。トソンです」

(#ФωФ)「さーっそーおーとぉー!」

(#ФωФ)

( ФωФ)「……む、誰かと思えばメイドのトソンではないか」

(゚、゚トソン「ええ、ご主人様のお世話を独りで二十四時間任されているにもかかわらず」

(゚、゚トソン「時給680円から一向に上がる気配もない哀れなメイドの都村トソンが参上致しました」

( ФωФ)「……」

( ФωФ)「うむ、実に説明的な台詞で分かりやすい。よろしい。褒美は我輩のウインクだ」

( Фω<) バチン

(゚、゚トソン チッ

166 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 21:20:42 ID:/I8YLJN20
( ФωФ)「なあトソンよ……どうして我が阪神タイガースは短期決戦になると勝てぬのだ?」

(゚、゚トソン「申し訳ありません、わたくしは野球のことを存じ上げてございませんので、悪しからず」

( ФωФ)「このままではどうせ、クライマックスシリーズで敗退してしまうぞ……」

(゚、゚トソン「どっちにしたってセールやるんだからいいじゃないですか」

( ФωФ)「ちなみにトソンの好きなスポーツは?」

(゚、゚トソン「クリケットです」

( ФωФ)「クリケット……」

(゚、゚トソン「ええ。あれです、棒で球をなんかアレするやつです」

( ФωФ)

(゚、゚トソン

167 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 21:23:18 ID:/I8YLJN20
( ФωФ)「……それで、どうしてここに?」

(゚、゚トソン「ああ、うっかり忘れるところでした。大した用事じゃありません」

( ФωФ)「構わん構わん。申せ」

(゚、゚トソン「いいニュースと悪いニュースがありますが、悪いニュースから言いますね」

( ФωФ)「我輩、好きなものは最初に食べるタイプなのだが……」

(゚、゚トソン「ご主人様の処刑の日取りが決まりました」

( ФωФ)

( ФωФ)「あら」

(゚、゚トソン「明日です」

( ФωФ)「まあ」

(゚、゚トソン「断頭台で行われるそうです」

( ФωФ)「やだ」

(゚、゚トソン「以上」

( ФωФ)

( ФωФ)「……で、いいニュースは?」

(゚、゚トソン「最後に申し上げましたでしょう。断頭台です」

( ФωФ)「……」

(゚、゚トソン「特注ですよ」

( ФωФ)「やだアタシ全然気付かなかったわ」

(゚、゚トソン「まったく、ご主人様ときたら相変わらず鈍感なんですから」

(゚、゚トソン アッハッハッハッハ

168 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 21:26:26 ID:/I8YLJN20
( ФωФ)「えー、我輩ったら死んじゃうのー?」

(゚、゚トソン「何を仰ってるんですか。そもそもご主人様はこの屋敷に軟禁されており」

(゚、゚トソン「政府から処刑の日を待つ身だったではありませんか」

( ФωФ)「うむ、実に分かりやすい説明だ。我輩も自分の立場を再確認できた」

(゚、゚トソン「恐れ入ります」

( ФωФ)「しかし、明日というのは些か急すぎるのではないか?」

(゚、゚トソン「いわゆるお役所仕事ですね。ほら、大臣の判子とかいるじゃないですか」

( ФωФ)「ふむ、我輩の処刑を躊躇するだけの人情は残っておったか」

(゚、゚トソン「悩み抜いたあげく、まあ、最終的には、いてまえって感じだったそうです」

( ФωФ)「……なんでそんなことをトソンが知っておる?」

(゚、゚トソン「電話で聞きました。お役人と一緒に大笑いでしたね」

(゚、゚トソン「まあ、実際にハンコが押されたのは先月のことで、さっきまで担当者が忘れてたそうなんですけど」

(゚、゚トソン「それがまたウケてウケて」

( ФωФ)「愉しそうだなこやつめ」

169 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 21:29:22 ID:/I8YLJN20
( ФωФ)「というか、我輩処刑されるほどなんか悪いことしたっけ?」

(゚、゚トソン「逆に、それぐらい悪いことしたから処刑されるんでしょう?」

( ФωФ)「ふむう……まあ、今更考えても仕方がないことではあるが」

(゚、゚トソン「それにしても断頭台ですよ。これを作るのがまあ大変だったそうで」

( ФωФ)「ふむ」

(゚、゚トソン「何しろ、国産のギロチンというものは今まで存在しなかったわけですから」」

(゚、゚トソン「そこで今回は各省庁協力のもと、使用する木材の選定から刃の落下速度まで緻密に設計したそうですよ」

( ФωФ)「我輩、そんなことにお金使うぐらいなら世界の恵まれない子供たちを助けるべきだと思う」

(゚、゚トソン「あ、そうそう。もう一つ大切なことを言い忘れていました」

( ФωФ)「なんだ、どうせ悪い話だろう」

(゚、゚トソン「選べますよ、表と裏」

( ФωФ)「……え?」

(゚、゚トソン「仰向けとうつぶせ、あ、一応側面でも大丈夫だそうです」

( ФωФ)「肘ついててもいいの?」

(゚、゚トソン「なんなら、そば殻の枕もOKだそうです」

( ФωФ)「うわあ、我輩ってばなんて幸せなのー」

170 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 21:32:44 ID:/I8YLJN20
( ФωФ)「……ふむ、しかし急にそんなことを言われても困るな。どうすべきだろうか」

(゚、゚トソン「昔の話では、仰向けの場合大抵の囚人が発狂してしまったと聞きますね」

( ФωФ)「やっぱりそっちの方が怖いであろうな、刃が落ちてくるのが見えてしまうのだから」

(゚、゚トソン「ただ、ご主人様の場合はうつぶせの場合もモニターが用意されまして」

( ФωФ)「え」

(゚、゚トソン「今回は、なんと八つのカメラがそれぞれの角度からご主人様の処刑を中継いたします」

(゚、゚トソン「これはまさに、現代技術と伝統との運命的な邂逅ですね」

( ФωФ)「いつの間にこの国はそんなにアバンギャルドになったのだろう」

(゚、゚トソン「時代は刻々と変化していくんです。野球ばかり見ている場合じゃないですよ」

( ФωФ)「……ということはさっきのナイターが我輩の野球の見納めだったわけか……」

( ФωФ)「それがサヨナラ負けって」

(゚、゚トソン「ご主人様も明日でこの世からサヨナラですし、丁度いいじゃないですか」

(゚、゚トソン ハハッ

171 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 21:35:56 ID:/I8YLJN20
( ФωФ)「……トソン、きみともお別れということになってしまうのだな」

(゚、゚トソン「そういうことですね」

( ФωФ)「思えば二十年前のあの春の日、シルクロードからやってきた奴隷商人の列の中にキミはいた」

( ФωФ)「商品として売られている少年少女の中で、キミの姿は一際輝いていた」

( ФωФ)「嗚呼、こんな幼気な少女を惨たらしい者の手に渡してなるものか、そう思い我輩はキミを買ったのだ」

( ФωФ)「それからは、キミをまるで娘の如き想いで育ててきたのだ……」

( っωФ)

( っωФ)「こうして立派な大人になるまで、キミを見守ることが出来てよかった」

( っωФ)「我輩の願いはそれだけだったといっても過言ではない……・」

(゚、゚トソン

(゚、゚トソン「わたくし、十九の時にフロムエーで応募したんですけど」

( っωФ)

( っωФ)「……」

(゚、゚トソン「時給、780円って書いてあったんですけど」

( っωФ)「……め、目にゴミが」

(゚、゚トソン「嘘ばかりついてると泥棒になりますよ」

( ФωФ)「いいもーん、泥棒になる前に死刑になるもーん」

172 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 21:38:35 ID:/I8YLJN20
(゚、゚トソン「というかシルクロードからやってきた奴隷商人が今時いるわけないでしょう」

(゚、゚トソン「もうちょっとリアリティのある設定にしないとネットで親の仇みたいにぶっ叩かれますよ」

( ФωФ)「我輩、全然リアリティのない処刑方法で明日死ぬみたいなんだけど……」

(゚、゚トソン「まあ、ギロチンは元来人道的な処刑方法とされてきたわけですし」

(゚、゚トソン「これを機に、死刑の方法が変更されるかもしれませんよ」

( ФωФ)「……ま、どうなろうと我輩の知る由もないのだが」

(゚、゚トソン「まあ、普通は死刑になんかなりませんしね」

( ФωФ)「やっぱりどうして我輩が死刑にされるのか、サッパリ納得いかんのだが」

(゚、゚トソン「知りませんよ。わたくしに残業代を払わなかったからじゃないですか」

( ФωФ)「それならもっと残虐な死に方をすべき奴がいるだろうに」

173 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 21:41:22 ID:/I8YLJN20
(゚、゚トソン「……あ、もうそろそろ十一時ですよ。睡眠のお時間です」

( ФωФ)「やだ、今日は寝ない」

(゚、゚トソン「どうしてですか? 眠れないならビールとマイスリーでも飲みますか?」

( ФωФ)「そういうことじゃなくてだな。無理にでも寝ないといけないわけじゃなくてだな」

(゚、゚トソン「スタンガン、使います?」

( ФωФ)「それは睡眠ではなく気絶だ。というか、どうしてそこまで寝かせたがる」

(゚、゚トソン「だって、一応仕えている身ですから、ご主人様が寝てくれないとわたくしも眠れないじゃないですか」

( ФωФ)「……眠いの?」

(゚、゚トソン「わりと」

( ФωФ)「別に先に寝てもかまわないが」

(゚、゚トソン「あ、はい。じゃあお疲れーっす」

( ФωФ)「やだ! 行かないで!」

(゚、゚トソン「なんなんですか、かなり鬱陶しいタイプのメンヘラみたいなこと言って」

( ФωФ)「分かりそうなものだろう。何が悲しくて死を迎える夜をメイドにまで見放されないといけないのだ」

(゚、゚トソン「分かりましたよ。イヤイヤいますよ」

(゚、゚トソン「イヤイヤですよ」

( ФωФ)「……もう、別にそれでいいから」

174 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 21:45:00 ID:/I8YLJN20
(゚、゚トソン「現実逃避したいなら、せめてお酒でも飲みますか?」

( ФωФ)「そうだな……最高級のやつを頼む」

(゚、゚トソン「はい」

、゚トソン,,, テテテ

( ФωФ)「……やれやれ、なんだか雰囲気が出ないな。しかし、こういうときはどういう心持ちでおればいいのやら」

( ФωФ)「我輩もメイドを雇える程度には財をなしたのだ、せめて今夜ぐらいはリッチに過ごしたい……」

トトト ,,,,(゚、゚トソン

( ФωФ)「変な戻り方だな」

(゚、゚トソン「顔の構成上仕方ないんです……はい、どうぞ」

( ФωФ)「おお、すまないな。なるほど、これか。我輩の持つ最高の酒はキンキンに冷えたこのクリアアサヒ」

( ФωФ)「……」

( ФωФ)「クリアアサヒやん」

(゚、゚トソン「ええ、最高級ですね」

( ФωФ)「ビールどころか発泡酒ではないか」

(゚、゚トソン「まあ、正確には発泡酒ですらない、第三のビールですね」

(゚、゚トソン「でもそれ、ただのクリアアサヒじゃないんですよ。ちゃんとラベルを読んでください」

( ФωФ)「……くりああさひ、ぷらいむりっち」

(゚、゚トソン「最高級のコクですよ」

( ФωФ)「我輩はこんなセブンイレブンみたいな煽り文句では騙されないぞ」

175 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 21:48:13 ID:/I8YLJN20
(゚、゚トソン「なんなんですか、じゃあバーリアルに取り替えますか?」

( ФωФ)「いやもう、これでいい……というか何でもいい」

( ФωФ) プシュ

( ФωФ) グビリ

( ФωФ)「……あー、美味い」

(゚、゚トソン「ははは、貧乏舌ですね」

( ФωФ)「とりあえずこういうことでも言うておかないとやっておれんだろうが!」

(゚、゚トソン「ご同情いたします……わたくしも頂いてよろしいでしょうか?」

( ФωФ)「ああ、いいぞ構わん。どうせ最期の夜なのだから」

(゚、゚トソン「では失礼して……」

(゚、゚トソン キュポン

(゚、゚トソン トットットッ

(゚、゚トソン「おっとっと、口から迎えにいかなあかん口から」

( ФωФ)「……トソン」

(゚、゚トソン クイッ

(゚、゚トソン クゥーッ

(゚、゚トソン「……はい? 何か言いました?」

( ФωФ)「何飲んでるの、それ」

(゚、゚トソン「森伊蔵ですけど」

176 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 21:51:59 ID:/I8YLJN20
( ФωФ)「……」

(゚、゚トソン「カァーッ、やっぱりこの味わいは格別ですねえーっ」

( ФωФ)「あのね、トソン、よくきいて」

( ФωФ)「我輩もまあ、そこまでお酒に詳しいわけじゃないけれども」

( ФωФ)「それでもね、クリアアサヒより森伊蔵のほうが高級なことぐらいは分かるの」

(゚、゚トソン トットットッ

( ФωФ)「だからね、今この状態は主従関係が逆転してるというか」

(゚、゚トソン クイッ

( ФωФ)「なんか専用のお猪口まで用意してるしね。我輩そんなのあるって知らなかったんだけど」

(゚、゚トソン クゥーッ

( ФωФ)

(゚、゚トソン

( ФωФ)「……おいしい?」

(゚、゚トソン「わたくし、芋焼酎って苦手なんですよね」

( ФωФ)「怖いよ! もうアタシアンタの考えが全然わかんないよ!」

177 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 21:55:32 ID:/I8YLJN20
(゚、゚トソン「なんですか、最後の夜に森伊蔵の一つぐらい飲んじゃいけないんですか!」

(゚、゚トソン「寝る子は育ちますけど寝る焼酎は適切に保存しないと味を損なうんですよ!」

( ФωФ)「え、何この我輩が怒られてる感じ」

(゚、゚トソン「だからわたくしは無理してでもこの森伊蔵を一晩で飲みきろうという魂胆でこの日を待ち望み……」

( ФωФ)っ

(゚、゚トソン「……」

( ФωФ)っ

(゚、゚トソン「何ですか、そのはしたないお手々は」

( ФωФ)「あー、冥土の土産に森伊蔵の味を憶えていきたいなー」

( ФωФ)「って」

( ФωФ)っ

(゚、゚トソン「お手々がそう仰ってる?」

( ФωФ)「うん」

( ФωФ)「我輩じゃなくて、我輩のお手々がね」

( ФωФ)「これはもうどうしようもないな」

( ФωФ)っ

(゚、゚トソン「はいはい、いけないお手々ですねー、まずは伝達神経を切りましょうねー」

( ФωФ)っ

( ФωФ) スッ

178 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 21:58:44 ID:/I8YLJN20
(゚、゚トソン「もう分かりましたよ、ご主人様のコップ持ってきますから」

( ФωФ)「なんで我輩だけコップなのだ。せめてお猪口を用意したまえ」

(゚、゚トソン「言うこと聞かないならその缶の中に入れてチャンポンしますよ」

( ФωФ)「……どうせ新しいお猪口を探すのが面倒とかそういうやつだろう」

(゚、゚トソン「ははは、わたくしはメイドですよ。そういう家事を嫌がってたら仕事にならなその通りです」

( ФωФ)「分かったから、そのお猪口で飲ませてくれ」

(゚、゚トソン「えっ」

( ФωФ)「何だ。我輩も焼酎をお猪口で飲む権利ぐらいはあるだろう」

(゚、゚トソン「でもこれ、わたくしが使いましたよ」

( ФωФ)「うむ、それがどうした」

(゚、゚トソン「キッスですよ」

( ФωФ)「ん?」

(゚、゚トソン「間接キッスです」

( ФωФ)

(゚、゚トソン

(゚、゚ポッ

( ФωФ)「何を突然髪型を変えておるのだ」

179 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:01:18 ID:/I8YLJN20
( ФωФ)「なーにが間接キッスだ生娘かキミは」

(゚、゚トソン「この際わたくしが生娘かどうかなんてどうでもいいんです、ご主人様こそ何ですか」

(゚、゚トソン「最近ちょっと太ったじゃないですか」

( ФωФ)「そっちのほうがどうでもよかろう」

(゚、゚トソン「忘れたんですか。高校生ぐらいまでは、男女で間接キッスなどしようものならえらいことでしたよ」

(゚、゚トソン「周囲から煽られ囃され、一日や二日は思い出して夜も眠れぬ思いをするもんです」

(゚、゚トソン「ましてやわたくしのような陰気なグループが間接キッスなど考えられもしなかったのです」

(゚、゚トソン「それが! 大学に入った途端! あーあ、入っちゃった途端!」

(゚、゚トソン「男女間の回し飲みなど当たり前、むしろやらないと空気読めないみたいになっちゃうんです!」

ダン!!o(゚、゚トソン

(゚、゚トソン「どないなってますねや!」

( ФωФ)「なんだ、よく分からんがトソンは間接キッスにトラウマでもあるのか」

(゚、゚トソン「その間に何があったんですか! 高校生も大学生も肩書きが変わっただけでしょうが!」

(゚、゚トソン「学生と生徒の違いですか! 学歴があっても仕事がない人だっているんですよ!」

ダムダム!!o(゚、゚トソン「通話し放題とか要らんから基本料金を安くしなさい!!」

( ФωФ)「……まあまあ、口上はその辺にして一杯」

(゚、゚トソン「てやんでいべらぼうめい」

( ФωФ)トットットッ

(゚、゚トソン グビーッ

(゚、゚トソン「っとくらあ」

180 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:04:35 ID:/I8YLJN20
( ФωФ)「……もしやトソン、酔っておるのか?」

(゚、゚トソン「何を仰ってるんですか、東京特許許可局バスガス爆発、ね」

( ФωФ)「……」

( ФωФ)「そう言えば思い出したぞ、確かアレはトソンが二十歳になった誕生日のことだった」

( ФωФ)「成人の祝いにと思って、我輩はトソンに割と度数の低いワインを振る舞ったのだった」

( ФωФ)「そうしたらどうだろう。キミは最終的にその内容量の七割ぐらいを吐き戻してしまったのだった」

(゚、゚トソン「ははは、いつまでも同じトソンだと思わないでくださいませ」

(゚、゚トソン ウップ

(゚、゚トソン「あれから幾月、このメイドはしっかりと成長してまいりました」

(゚、゚トソン ウェ

(゚、゚トソン「ですから」

(゚、゚トソン オェェ

(゚、゚トソン「わたくしの心配などなさらず」

(゚、゚トソン シュウェップス

(゚、゚トソン「どうか飲み明かして」

(゚、゚トソン ゲロルシュタイナー

( ФωФ)「……何でもいいが、吐きそうなら早めに洗面所へ行くのだぞ。あの時は後始末が大変だったのだ」

(゚、゚トソン「大丈夫ですから」

( ФωФ)「大丈夫じゃないんだ、カーペットとかが」

181 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:08:05 ID:/I8YLJN20
(゚、゚トソン「どーせ明日には我が家でも何でもなくなるんですからいいんですよー、別に」

( ФωФ)「……サラリとグサリと言いおる」

( ФωФ)「……はて、そう言えばトソン、キミは明日からどういう身分になるんだ?」

(゚、゚トソン「ふぁい?」

(゚、゚トソン「ああ。電話で聞きましたよ。私にも何らかの処罰が下るそうです」

( ФωФ)「……何と、キミにも」

(゚、゚トソン「ええまあ、これでも一応ご主人様の付き人ですからねえ」

(゚、゚トソン「といっても、せいぜい二、三年の懲役で済むそうですけれど」

( ФωФ)「そうか」

( ФωФ)「それは……何というか、悪いことをしたな」

(゚、゚トソン「いいんですよ、どうせ虚しい人生です」

(゚、゚トソン「とばっちりですけど全然気にしてません」

(゚、゚トソン「たまたま働いてただけで完全なるとばっちりですけど全く」

(゚、゚トソン ハァ

( ФωФ)「……なんかすっごく悪い気がしてきたから、森伊蔵飲んでいいよ」

(゚、゚トソン「いいんですか? これ以上飲ませても」

(゚、゚トソン「最期の夜をゲロ掃除で終わらせます?」

( ФωФ)「……まあ、なんだ。水でも飲みたまえ」

182 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:13:47 ID:/I8YLJN20
(゚、゚トソン「ご主人様の前で不躾ですけどちょっと横になりますね」

( ФωФ)「ああ、好きにしたまえ」

(゚、゚トソン「じゃあちょっとどいて」

( ФωФ)「はい」

(゚、゚ゴロン

( ФωФ)「別にそういう表現はしなくてよろしい」

(゚、゚トソン「ああー、こんなに飲んだのは新歓以来ですよ。自分の限度はちゃんと知っておくべきですね」

( ФωФ)「……そう言えば、トソンは十九でここへやってきたが、それまでは何を?」

(゚、゚トソン「何をって……普通に大学生やってましたけど」

( ФωФ)「おかしいな、ここでの仕事は殆ど住み込みで、大学へ通う暇は無かったと思うが」

(゚、゚トソン「だーかーらー、大学をやめてどーしよーも無いときにフロムエーでここの仕事を見つけたんですよ」

( ФωФ)「やめたというのは、またどうして?」

(゚、゚トソン「やたら訊いてきますね。掘り返しても萌えるエピソードなんか出てきませんよ」

( ФωФ)「主人がメイドの出自を知ったって構いはするまい」

(゚、゚トソン「はあ、なんかまともなこと言われた気がして腹が立ちます」

(゚、゚トソン「……」

(゚、゚トソン「わたくしは、オタサーの二番手でした」

( ФωФ)「む?」

183 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:17:12 ID:/I8YLJN20
(゚、゚トソン「いいえ、最初は姫だったんです。こんなわたくしでも、ほら、そういう立ち振る舞いをすれば簡単に」

( ФωФ)「どういう立ち振る舞いだ」

(゚、゚トソン「ご主人様以外はだいたい分かると思いますから割愛します」

(゚、゚トソン「とにかく、わたくしは大学に入って数ヶ月間、間違いなくオタサーの勝ち頭だったんです」

( ФωФ)「……」

(゚、゚トソン「しかしまあ……所詮は顔と色気ですね。立ち振る舞いだけじゃどうしようもありません」

(゚、゚トソン「遅れて入部してきたオタサーの真の姫を前にして、わたくしは呆気なく敗北してしまったのです」

(゚、゚トソン「ああ、その瞬間にわたくしはオタサーの二番手、いや、オタサーの敗戦処理になってしまったのです」

(゚、゚トソン「来る奴は皆その真の姫への恋に敗れたものばかり……」

(゚、゚トソン「わたくしは、いつしかそういった男達のセットアッパーになっていたのです」

(゚、゚トソン「ああ、嘗てのエース級の活躍も虚しく……その絶望の余り、わたくしは大学をやめたのです」

( ФωФ)「……」

( ФωФ)「トソン」

(゚、゚トソン「はい?」

( ФωФ)「キミ、野球のこと割と知ってるんじゃないかね」

(゚、゚トソン「……」

(゚、゚トソン「あ、しまった、キャラ間違えた」

( ФωФ)

(゚、゚トソン

(゚、゚テヘペロ

( ФωФ)「やめろというに」

184 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:20:20 ID:/I8YLJN20
(゚、゚トソン「まあー、なんだっていいじゃないですか。どーせ明日にはおシャカですよ」

( ФωФ)「そんな無駄口を叩いている間に、日付が変わってしまったようだが」

(゚、゚トソン「処刑はゴールデンタイムに行われるそうなので、まだ猶予は十分にありますよ」

( ФωФ)「視聴率取る気満々ではないか。スポンサーは何を考えておるのか」

(゚、゚トソン「いえいえ、NHKです。ためしてガッテンを潰してやるそうです」

( ФωФ)「全国のおじいちゃんおばあちゃんが悲しむぞ」

(゚、゚トソン「そんなことはいいんですよ。ご主人様、わたくしは未だ防御率0.00です」

( ФωФ)「最早野球に疎いのを隠す気もなくなったな」

(゚、゚トソン「つまりですね、私は生娘なんですよ!」

( ФωФ)「そんなこと唐突に宣言されてもご主人困る」

(゚、゚トソン「だからですね」

チョイチョイδ(゚、゚トソン

( ФωФ)「?」

δ(゚、゚トソン「こいよ」

( ФωФ)「何そのファイティングポーズ」

185 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:24:07 ID:/I8YLJN20
(゚、゚トソン「私は生娘だけれど性知識はそこそこあるエロ漫画によくあるタイプの都合の良い女の子です」

( ФωФ)「森伊蔵片手に言う言葉か」

(゚、゚トソン「まあ、大学に行けばみんなそうなりますよ。ですから」

δ(゚、゚トソン「この私を腕尽くで押さえ込めたなら、今宵ご主人様にパラダイスが訪れますよ!」

デン!!o(゚、゚トソン

o(゚、゚トソン「ほんまもんのメイドプレイでっせ!」

( ФωФ)「……なに、力尽くで?」

シュッシュッo三(゚、゚トソン

( ФωФ)「……まあ我輩も齢はそこそこ重ねておるものの、まだ女子に負ける気はせん」

( ФωФ)oバン!!

( ФωФ)「よかろう、その挑戦受けて立とうではないか!」

( ФωФ)「いずれ今晩にはあの世にいるのだ、今更タイマンなんぞ怖れるものか」

( ФωФ)o「やったろやないかい!」

(゚、゚トソン「何や、やるっちゅうんかぁ!」

( ФωФ)o

(゚、゚トソン

( ФωФ)

o(゚、゚ゴゴゴ

 ФωФ)

ФωФ)「ごめんなさい」

186 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:27:29 ID:/I8YLJN20
( ФωФ)「いや……そういうのはよくない、よくないな。そんなんガチ喧嘩からの和姦とか描写できないし」

( ФωФ)「なんかよく分からないけどこのメイド、そこそこ強そうだし」

(゚、゚トソン「あ、ちょっと待ってください。部屋から釘バット持ってきます」

( ФωФ)「やめて! やらないって言ってるでしょ!」

(゚、゚トソン「もー、ご主人様の腰抜けヘタレクソ野郎」

( ФωФ)「あー……えへん、そういうのはだな、大事な人のためにとっておきなさい」

(゚、゚トソン「釘バットですか?」

( ФωФ)「違う違う」

(゚、゚トソン「大丈夫ですよ。どっちにしても負けるつもりはなかったので」

( ФωФ)「最早ただの計画殺人ではないか」

(゚、゚トソン「だってー、どっちがいいです? ギロチンと釘バット」

( ФωФ)「……たぶんギロチンのほうが即死出来るからギロチンで」

(゚、゚トソン「はぁ……そうですか。じゃああとで業者に返品しておきます……」

( ФωФ)「どこの業者が釘バットなぞ売っておるんだ」

(゚、゚トソン「メイドですからね、何でも知っております」

( ФωФ)「もうちょっとご主人様に役立つ情報を仕入れておいてくれはしないものか」

187 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:30:16 ID:/I8YLJN20
(゚、゚トソン グビーッ

(゚、゚トソン「ってかぁ」

( ФωФ)「トソンよ、そろそろ我輩にも森伊蔵を飲ませてくれないか」

(゚、゚トソン「え、まだ飲んでませんでしたっけ」

( ФωФ)「うん、なんか話が脱線しすぎてて我輩も忘れてた」

(゚、゚トソン「でもこれもう、空になりましたけど」

( ФωФ)「……」

(゚、゚トソン「はぁー、やっぱり慣れない酒は上等でも美味しいとは感じませんねえ」

(゚、゚トソン ウィー

( ФωФ)「……はぁ、まったく踏んだり蹴ったりだ」

(゚、゚トソン「あれ、ご主人様、落ち込んでらっしゃいます?」

( ФωФ)

(゚、゚トソン「大丈夫ですよ、ほら、私がいるじゃないですか」

( ФωФ)「我輩を踏んでるのも蹴ってるのもトソンなのだが」

(゚、゚トソン

( ФωФ)

(゚、゚ソンナコトイワレテモウチポンデライオンヤシ

( ФωФ)「伸びすぎ、髪の毛伸びすぎ」

188 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:33:20 ID:/I8YLJN20
(゚、゚トソン「そうは言いますけどね、いないよりはマシだと思いましょうよ」

( ФωФ)「……まあ、今宵に限ってはそうかもしれないな」

( ФωФ)「こうやって馬鹿な話をしていた方が、気も紛れて些か楽になる」

(゚、゚トソン「でしょう。例えご主人様があと一日もしないうちにギロチンで首チョンパになって」

(゚、゚トソン「でもなんかよく分からないけど多少意識は残ってて死ぬ間際に酷い痛みに襲われて」

(゚、゚トソン「それで気絶してしまいそうだけどよく考えたら気絶イコール死だという事実に気付いて」

(゚、゚トソン「恐怖のあまり首だけになってももんどり打って悶えて痛みと絶望の中死んでいくとしても」

(゚、゚トソン「こうやって話をしていたら、あんまり思い出さないでしょう」

( ФωФ)「最早わざとらしすぎてツッコミも思い浮かばん」

(゚、゚トソン「さて、そんなご主人様にわたくしからのささやかなサプライズがあります」

( ФωФ)「なんだ、まさか処刑の時間が朝の九時からとか言うんじゃないだろうな」

(゚、゚トソン「何を言ってるんですか、そんなわけないじゃないですか」

(゚、゚トソン「世間様はお仕事のお時間ですよ」

( ФωФ)「そんな別に、リーマンの帰宅を待って行うものでもなかろうに」

(゚、゚トソン「はい」

トン□(゚、゚トソン

189 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:36:42 ID:/I8YLJN20
( ФωФ)「……何だ、これは」

(゚、゚トソン「わたくしのクッソ安い賃金の中から購入しておいたプレゼントです」

(゚、゚トソン「いわゆる、冥土の土産ですね」

( ФωФ)「メイドだけに?」

(゚、゚トソン「あ?」

( ФωФ)「すいませんでした」

( ФωФ)「……で、中身は?」

(゚、゚トソン「開ければ分かりますよ」

( ФωФ)

(゚、゚トソン

( ФωФ)「……」

(゚、゚トソン「なんですか」

( ФωФ)「今、我輩の頭の中をイヤな想像ばかりが駆け巡っているのだが」

(゚、゚トソン「なんですか、こんな時にふざけたマネをするメイドだとでも思っているんですか」

( ФωФ)「むしろどう考えればキミを実直なメイドに見えるのか教えてほしい」

(゚、゚トソン「大丈夫、開けても死にはしません」

( ФωФ)「……」

( ФωФ)□パカッ

190 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:40:22 ID:/I8YLJN20
( ФωФ)

( ФωФ)「これは……酒器、か」

(゚、゚トソン「お猪口でいいじゃないですか」

( ФωФ)「しかしこんなもの、いったいどうして?」

(゚、゚トソン「だから言ってるでしょう、冥土の土産だって」

( ФωФ)「そうか……」

( ФωФ)「てか、そのお猪口は?」

(゚、゚トソン「あのですね、普段ご主人様はあんまりお酒を召し上がらないでしょう」

(゚、゚トソン「このお猪口、私のなんですよ。嫁入り道具的な」

( ФωФ)「何故住み込みのメイドがお猪口をぶら下げてやってくるのだ」

( ФωФ)「しかし……確かに、そのお猪口を我輩が好んで購った憶えはないな」

(゚、゚トソン「でしょう。ですからこれは、やっすいやっすい賃金でやっすいやっすいオークションで落としたやつです」

( ФωФ)「……」

( ФωФ)「すまないな、受け取っておこう」

(゚、゚トソン「それで、最期の一杯を愉しんでください」

( ФωФ)「……」

( ФωФ)「さっき全部呑んだって言ってなかった?」

(゚、゚トソン「あ」

191 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:43:54 ID:/I8YLJN20
(゚、゚トソン「……はっしまったもうこんなじかんだまじめなめいどはもうねなくては」

( ФωФ)「おいトソン」

(゚、゚トソン「随分酔いも回っておりますものですから……この辺で失礼します」

( ФωФ)「こらまて」

(゚、゚トソン「そのお猪口、大事に使ってくださいね」

( ФωФ)「使う機会を与えて!」

(゚、゚トソン「それでは失礼しますお休みなさいご主人様も早寝したほうがいいですよ」

(゚、゚トソン「せめて最期は健康体で逝きましょう、はっはっは」

、゚トソン.... テテテ

( ФωФ)「おいこらせめて後片付けを……」

、゚トソン「おつかれっしたー!」

<バタン

192 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:46:29 ID:/I8YLJN20
( ФωФ)「……」

( ФωФ)「やれやれ、騒々しいメイドだ……。まあ、今夜はそれぐらいのほうが良いか」

( ФωФ)「それにしても、一応メイドなんだから酒瓶やらの後片付けぐらい……」

( ФωФ)「おや」

( ФωФ)「この森伊蔵、まだ少し残っておるではないか」

( ФωФ)「……」

( ФωФ)「せっかくだ、アイツの土産でいただくとしよう」

( ФωФ) トットットッ

( ФωФ)「ちょうど一杯分……」

( ФωФ) グイッ

( ФωФ)「……」

( ФωФ)「うむ、旨い」

( ФωФ)「それにしてもこの酒器……そこそこ値の張る代物に見えるが」

( ФωФ)「本当にオークションで安く落札できたのだろうか」

( ФωФ)「……いかん、頭が回らん。下戸の分際で、少々飲み過ぎたか」

( っωФ)「眠い……身体も重いな……」

( っωФ)「……」

( っωФ)「もうすぐ死ぬのか」

( っωФ)「最期の夜としては……良い夜だったのかも知れぬな……」

( っωФ)「あとは……阪神が……勝っていれば……」

( っωФ)「……」

193 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:50:12 ID:/I8YLJN20
・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

<キィー

トトト ...(゚、゚トソン

( -ω-)Zzz

(゚、゚トソン「やっぱり……。こんなところで眠りこけてらっしゃる」

(゚、゚トソン「下戸なのに無理をするから……森伊蔵を鯨飲してたらどうなってたことか」

(゚、゚トソン「風邪引くかもしれないし……布団を……」

(゚、゚トソン「……いいか、どうせ明日までの命だし」

( -ω-)Zzz

(゚、゚トソン

( -ω-)Zzz

(゚、゚トソン「それにしても、目を閉じているとどのキャラだか区別のつかないお顔だ……」

194 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:53:24 ID:/I8YLJN20
(゚、゚トソン「……あ、お猪口」

(゚、゚トソン「使ってくれたみたいですね、よかったよかった」

(゚、゚トソン「……」

(゚、゚トソン「もうすぐ誕生日だったんですけどねえ」

(゚、゚トソン「その前に処刑日が来るとは。まあ、なんとか渡せたし、いいけど」

(゚、゚トソン「……」

(゚、゚トソン「しかしまあ、いつ、どうやって死ぬかなんてわかんないものですねえ」

(゚、゚トソン「……」

(゚、゚トソン「ご主人様、まあそこそこ弄り甲斐があったし、それなりに楽しかったですよ」

(゚、゚トソン「……あとはもうちょっと賃金が高ければ」

(゚、゚トソン「ワーキングプアのメイドてどないやねん」

o(゚、゚トソン

o(゚、゚トソン「危ない危ない、またテーブルをぶっ叩いてしまうところでした」

(゚、゚トソン「まあ、そう簡単には起きなさそうだけど」

195 : ◆xh7i0CWaMo :2014/10/03(金) 22:56:28 ID:/I8YLJN20
(゚、゚トソン「さて、わたくしも寝るとしましょう」

(゚、゚トソン「明日は何時頃起こしたらよいですかねえ……」

(゚、゚トソン「……そうだ、人の心配ばかりもしてられないのでした」

、゚トソン... テテテ

、゚トソン「私も、刑務所で仕事頑張らないと……」

゚トソン「……あのお猪口、値が張ったせいで無理矢理分割払いにしてもらったんですから」

トソン「まったく……とんだとばっちりですよ」

「……それではご主人様、お休みなさいませ……」

「……せめて良い夢を……もう寝てますけどね」

<バタン









8.壁