【感想】ブーンハッカー創刊記念ミニ5レス企画のようです 参加全作品

ブーンハッカー様の特設掲示板にて行われた企画、
~ ブーンハッカー創刊記念ミニ5レス企画のようです ~
の参加作品全部に、おこがましくも感想つけてみました。

感想ってか批評っぽくなっているので、注意。







1.デレを忘れない

5レスという制限がある中、最も濃密なストーリーを見せつけてくれた作品。
本来比べるべきものでない愛というものを天秤にかける、究極の選択という展開は割と王道パターンだがしかし、
王道故に読者を満足させれられるだけのものを書くというのはなかなか難しいことじゃないか?と思う。
それが出来ているこの作品。起、承、転、結、すごく綺麗にまとまっている。
どちらの愛を取るか、という葛藤もよく書けていた。
『昔絵を描いていた』というも重要なファクターになっており、その設定に違和感はなく、藝術というテーマにこじつけた感じは全くしない。

難点を上げるとすれば、一人称が『私』なため、最初は女だと思って読み進めてた。

>やがて、ツンが私の子を身ごもった。

ここでやっと「あ、主人公男だったんだ」と気付けた。
1レス目で兄弟という単語が使われていたが、これだけじゃ性別の判断は難しいと思う。特にブーン系は誤字脱字が多いしね。




2.( ´_ゝ`)旅描く藝術家のようです(´<_` )

導入部にあたる部分を書いた感じで、ちょっと続きを見てみたいと思える、そんな作品。
壁に描かれた手がかりの絵を表した文章がよかった。逐一改行されてるのがね。想像する余裕ができて。

兄者が笑うところ、( ´,_ゝ`)じゃなくて(*´_ゝ`)のがよかったんじゃないかと。
( ´,_ゝ`)だとフーンと小馬鹿にしたような笑いに見える。
まあこれは好みの問題か?

この5レスでは話がそんなに進んでないため、展開がどうとかキャラがこうとか評価することはできないね。




3.( ´_ゝ`)藝術は国を越えて、のようです

外国語は読めないけど、和やかな空気が伝わってきたので、それでいいのかなと。
ていうかこれを逐一検索して、和訳して読む人なんてそうそういないでしょう。
あーなんか楽しそうだな~って雰囲気が楽しめれば、それでおkじゃない?

にしても兄者、ブラックカード持ってるなんて相当なVIPだな。

そして兄者、弟者が来ると必ず目をつむるのは、もしかしないでもワザとやってるんじゃないのか。




4.目薬は空になって久しいようです

ごめん。わかんね。
見る者の目にハッキリと伝えないもののかき方の例えで言えば、そうだな。
私は例えばピカソの絵の素晴らしさがなんたるかは、全く理解できない。
でも梶井基次郎の檸檬とかは大好きだ。
何が言いたいかっていうと、もう少し、話の主軸というか、テーマ、何を一番伝えたいのかを、
ぼんやりとした作風ながらもハッキリ書いてほしい。
そうであったら私にも作品を楽しむことが出来た。
それか審査員の感想にあったように、読み解く道具を増やすか。

雰囲気はよかったと思う。
特に3レス目の

>ハンカチで内ももを拭い、足首に絡んでいる下着を履きなおす

>頬をぽろぽろ撫でていく水泡の感触

これらの書き方に妙にリアリティを感じた。
文章、表現はかなり上手いと思う。




5.( ^ω^)は造られたようです

すごくいい。好き。特に1レス目。

>こんにちは、ブーン

シンプルながら、この文がいい。
カタカタとも相まって、世界観というか、ああこれは今パソコンでブーン系書いてて、そしてブーンを誕生させたんだなって、伝わった。

審査員の感想にて「最後の二行はあんまりいらなかったような」と言われてたが、別にいいと思う。
結局、メタ話はどこまでいってもメタ話なわけで。
むしろこれによって上手く締められたのでは?

しかしあるいは、私たちもまた、造られた存在ということに気付いていないだけで……。
なんちゃって。




6.おやすみT-2のようです

Perfect!
AAを使わなかったのはいい判断だと思う。
いや、使ったらこの話は書けないのか。
一作品目の『デレを忘れない』と同じく綺麗にまとまった話で、これを5レスで読み終えられたことに贅沢さと、長編作品で味わうような感動を覚えた。
SF的なジャンルはあまし好きじゃないんだけど、これは好きだね。

しかし、

>私の歌には、何かが欠けているらしい。

欠けているとT-2が知ってるのは、おそらく内藤博士から言われたからなのであろうが、
そうすると何故、博士はそのようなことを言ったのだろう?
なんの突拍子も無しに言うには、酷な一言じゃないだろうか。

そうすると、デレはかつて歌が好きで、よく歌っていた、という設定を付け足し、
T-2が歌った際に思い出した内藤博士が何気なく「なんか違う……」と一言呟いたのだった、
なんて話が補完されてれば納得できたかな、と思う。

ま、野暮な話だと思って聞き流してくれ。




7.ある個展のようです

ホラーチックながらも、心があったかくなる、そんな作品。
しかし全てを察した最後には( ・∀・)と同じく「どうか、お幸せに」とそれだけしか出てこず、いまひとつ物足りないというのが、正直なところ。

1レス目の、カンバスに描かれている絵の描写はいいね。
旅描く藝術家のそれも好みだったし、私は絵の描写というのが好きなのかもしれない。
強いて言うなら、もう少し凝った表現にしてもよかったかも。
この作品の絵の描写はシンプルに書かれていて、絵を構成する最低限の情報しか伝わらなかった。

また、絵の描写を強くする際には、くどくなりすぎないように、他の地の文を逆にもう少しシンプルにしてあげるといいかも。




8.ボーンチャイナのようです

まあまあ。
文章はしっかりしているが、やはりストーリーに既視感がある。

ツンはブーンのこの仕事を理解した上で嫁いだのか?
何でブーンがナイフを取り出した時、ツンは逃げもせず微笑んだのだろう?
う~ん謎だ……。(読者座談会では「はじめから愛する( ^ω^)の陶器になりたかったから」という意見が。成程。)

磁器の表現が一文一文やや長いので、頭に入ってきづらい。なので、途中で区切ってみてはどうか。

>書斎に置かれているコーヒーカップとソーサーは、次々あふれでてくるアイディアを取りまとめるお手伝いをしていて。



書斎に置かれているのはコーヒーカップとソーサー。それらは次々あふれでてくるアイディアを取りまとめるお手伝いをしていて。

こんな感じで。
まあこの点に関しては私も気を付けなきゃいけないところなんだけど……。

三人称視点の地の文は、この話に合ったものだったと思う。
展開も5レスに丁度よく収まる内容で、よかった。




9.老ウィリアムの追憶

最高。一番好き。
とにかく文章が上手いね。
始終一定のテンポを刻んでいて、つっかえたりせず、安心して読み進めることができた。

特に気に入ったのが、台詞回し。

>( ´_ゝ`)「これを聞いたら、あんた、きっと俺のことをきちがいだと思うだろうな。

きちがいだと思うだろうな。これ。
この話の舞台はどうやらイギリスのようで、私はよくホームズとかポワロといった英国探偵小説(勿論和訳されたもの)を読むのだけど、確かにこういう台詞回しがあって、上手く雰囲気を出せているなと思った。

他にもexcuse me?とか。
「すいません」じゃイマイチだったろう。
こういったところに"技"を感じた。

ミステリアスな終わり方だったけど、少し考えれば「まさか……そういうことか!?」と、割と簡単に想像できる謎の残し方だったので、これもよかった。

文句のつけようがないですね。




10.('A`)乱立し、立ちふさがるかつての遺産ζ(゚ー゚*ζ

好き。
もし『藝術』が飽和状態になってしまったら?
もしかしたら、近い未来現実でも、このような藝術審議所なる機関が登場するかもしれない……。
そういう意味で非常に現実味のある作品。
一番『藝術』というテーマに則した内容の作品だったのではないでしょうか。

私も何度か考えたことがある。
特に音楽ジャンルが顕著な例で、似たような作品があるとすぐ「○○のパクリだ」などと言われたりして、『全く新しいもの』を生み出すのは難しくなってきているんじゃないかと。
読了後、そういったことを思い出させてくれました。

ただ、「昔だってそういう悩みを持った人がいた」というのは、確かにそうだろうなあって思った。
考えさせられる作品でした。

難点は、ドクヲが立ち直るキッカケが、やや単純かなと。
しかし、じゃあ他にどんな言葉が思いつくのかと問われると、私も困ってしまうところ。




11.(゚、゚トソン 点数、名声、私の絵 のようです

自作品。
自分で自分は叩きづらいので、気を付けた点なんかを書きます。

1レス目はとにかく、『ウザったいトソン』をこれでもかというほど出してみました。
共感とか、同情とか、してほしくなかったんですよね。このトソンには。

自らが頂点に君臨するぬるま湯の牙城を、ある時思いがけもしないところから崩されたら、どうなるか。
主題としては、そんなところでしょうか。

トソンが引くに引けない状況に陥ってしまうことになるのに、一役買ったのが「画伯」という言葉だったと思います。
「画伯」は第一稿が出来上がった後で思い付いた言葉なんですけどね。足してよかったと満足してます。

反省点は文章が長くなってしまったこと。
書きたいことがいっぱいあって、どのレスも30行に間に合わせるのに必死でした。
もっと簡潔に、読みやすい文章を心掛けていきたいです。




12./ ,' 3 紡がれる旋律のようです

心があったかくなれる作品。
なんの特徴も無いただのジーサンと思われているのがちょっとだけ悔しくて、少しくらい自慢しても、バチは当たらんだろうと、看護婦をさり気なく驚かせる。
ちょっと可愛いジーサンだなと思ってしまった。

看護婦が荒巻の世話を坦々と事務的にこなしているのがリアル。

>('、`*川「えぇ、もう外は真っ暗ですよー?」
>そう言いながら、看護婦の女性は今日の夕食をベッドのテーブルの上に並べる。

言いながら、ってのが、情景を鮮明に想像させてくれたね。良い。

しかしこれも「あったかくなれる」というだけで、もう一つなにか展開が欲しいところ。
惜しい作品だなと思う。




13.ξ゚⊿゚)ξ果ての庭園に咲くようです

うーん、イマイチ。
良いと思える人は好きでしょうが、私には合わなかった。

暗黒の中に植物が在る情景も、私の脳では簡単に想像することが出来なかった。
ただ、イヤな感じ、恐怖感、焦り、とそういったものは感じ取ることが出来た。

伝えたいことがありすぎるせいで、一文が長い、改行できないというジレンマにはまっている印象。
(読者座談会では、読みにくく、文字で黒く埋め尽くされたこの画面は視覚的効果を作り出していて、狙ってやってるのではという意見が出たが、私はそうは受け取れなかった。)

最後の、言ってしまえばありがちな締め方は私的には好きですね。
つまるところ、読む人による、といったとこでしょうか。




14.(#゚;;-゚)完成しないようです

これも自分はイマイチに感じる。
どうも、色々な解釈の仕方ができる終わり方ってのが、私は好きではないらしい。

モララーはミセリに何を頼んだのか?
これについては私は全く予想することも出来なかった。ホント何頼んだんだろう……。

最後にデレが笑った理由は?
これは私は、でぃがモララーに恋愛感情を抱いているのではないかなと予想する。
不意に起こった、絵が消えたというアクシデントだがしかし、モララーとまた2人だけで居られる時間が出来たことに対する、喜び。

一方モララーは恋愛感情はないが、でぃが真剣にキャンバスに向かっているその情景を一枚の絵、芸術として鑑賞する喜びを覚えている。と受け取った。

互いの、決して混ざり合わないであろう思惑を乗せた美術室に広がるねっとりした空気、的なものは楽しめたが、
大きな謎を2つも残して終わってしまったのが、どうもモヤモヤしてしまう……。




以上、こんな感じですね。
皆様口々におっしゃってましたが、やはり全体的にレベル高かった。
突発の企画にしては14作品と数も多いし、大成功を収めたのではないでしょうか。
読者座談会もかなり充実した時間を過ごせたし、またこういう企画があれば参加したいですね。
次はもっといい作品を携えて。