▼・ェ・▼その男、所詮、『犬』のようです。 第1話 猫 後編

125 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:34:17 ID:xEbffN3I0
突然だが、皆様はアルバートフィッシュという男をご存知だろうか?

彼は1910年から約20年以上に渡り、殺人を繰り返したアメリカの著名なシリアルキラーの一人である。
犠牲者の数は今だはっきりと断定されてはいないものの、最低でもなんと400人以上の尊い命が犠牲となり、中には執拗な拷問にかけられ、最終的にその肉を調理され、食されるという悲惨な最期を迎えた被害者もいたそうだ。

その常軌を逸した残忍な犯行、常識では考えられない犠牲者の数。
悪魔も思わず目を背けるであろう凶行は、不思議なことに満月が夜を照らす日に行われることが多かったという。

人々は月夜に漂う怪物、アルバート・フィッシュを恐れ、こう呼んだそうだ。




―――『満月の狂人』と。

126 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:34:58 ID:xEbffN3I0
血濡れた娼婦であるアマレット・ツーの趣味に、過去に名を残した異常犯罪者について学ぶ。と言うものがある。

自らもシリアルキラーであるという自覚がある彼女は、世間的に異常と言われる自分自身の事をより深く理解するために、様々なシリアルキラーやスプリーキラーを調べあげたのだ。
もちろん、その中にはかの有名なアルバート・フィッシュもいた。
つまり、彼女が『満月の狂人』と恐れられていた男の存在を認識していたことは、ある意味では当然であったのだ。


ツーは考えた。
敬愛すべきアルバート・フィッシュ氏の二つ名は『満月の狂人』である。
で、あるならば。




―――今自分の目の前にいる男の名は何なのだろうか。

127 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:35:57 ID:xEbffN3I0

その男、異常、異質、そして、変態(マニアック)。


ツーは乱れた呼吸を整え、汗をぬぐうと、密かに目の前の男に名前をつけた。
月明かりの舌で荒々しくパンチング呼吸を繰り返し、犬の被り物をした珍妙な姿の男に、心の中で、密かに……



▼・ェ・▼



――『満月の狂犬』と。

128 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:37:28 ID:xEbffN3I0
(#*゚∀゚)「……っらあああぁぁ!!!」


ツーはハエトリグモのように姿勢を低くしながら男を少しでも撹乱しようと壁から壁へ跳ね回る。
やがて自身が完全に男の死角である真後ろの『壁に着地する』と同時に音も立てずに跳躍し、犬男の背からその首を切り落とさんと爪を構える。


▼・ェ・▼「わふう!!」

(;*゚∀゚)(なんでこれを避けるんだよ!!)


しかし、ツーの動きなどお見通しだと言わんばかりに無駄の無い動作で避けられる。
厳密に言うと彼女の爪は、確かに男に届いてはいるのだが、いかんせん傷の深さがまったく足りない。

129 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:38:44 ID:xEbffN3I0
犬男は顔をしかめるツーに見せつけるかのように、浅い傷痕から漏れだす、わずかな血液を指で拭い舌で舐め取る。
すると満足そうに、にんまりと笑ってみせた。

その態度に普段は飄々としている牝猫、アマレット・ツーの闘志に火がついた。


(#*゚∀゚)(……こんの!!)

(#*゚Д゚)「マゾ犬がああああぁぁぁ!!」


ドレスを翻すように1回転すると彼女の左手から3本の爪が男の目を狙って発射される。
20メーター程の距離を一直線に突き進む3本爪は月明かりに照らされ#ギラギラと輝く残像を残しながら風を切る。

130 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:40:14 ID:xEbffN3I0
しかし、男は何故か避けようとせずに、右腕を盾にして目を庇う。
骨まで届くか届かないかという衝撃が男を襲い、わずかに犬男の口元が歪む。
夜空に彼の真っ赤な血潮が舞い散った。


(*゚∀゚)(狙いどおり!)


その刹那、ツーは地を蹴りだし音もなく一瞬で男の懐に入り込むと、そのまま勢いよく右の爪をその腹に突き刺した。


(#*゚∀゚)(死ね!!)


男の帰り血がツーの右頬に跳ねた。
肉を突き刺す、感触有り。

131 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:41:43 ID:xEbffN3I0
だが……


(;*゚∀゚)(……浅い!!)


すんでのところでバックステップをされていたようで、男の内臓を突き刺す程のダメージは与えられず。

瞬時に状況を判断したツーは延びきった右腕を引っ込めると同時に、左手でドレスの下に隠れたパンティから新しい爪を3本取りだす。
流れるような動作でそのまま男の視界を狙って横に凪ぎ払うも、男は軽く自分の首を上げられ、結果的に顎に軽い引っ掻き傷を作るのみとなった。


(;*゚∀゚)(!?)

132 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:43:41 ID:xEbffN3I0
(;*゚∀゚)(こいつ……やっぱり……)


男は態勢を低く保ちながらバックステップでツーの間合いから脱出すると、2、3 回後方に宙返りをしてみせ、一瞬で20メーター程の距離を作ってみせた。

牝猫のように俊敏なツーにとってはかの程度の距離など一瞬で詰められる間合いだったが、彼女は動かなかった。
彼女の中での仮説が、先程の攻撃で確信を得たからである。


(;*゚∀゚)(私が最初に爪を投げた時、あいつは腕で庇ってみせた。
この爪はジャパンで有名な『刀』を特別に加工した超小型の特製ナイフ)

(;*゚∀゚)(刀はもともと切る事に特化した得物だからそこまで深くは刺す事は出来ないだろうけど……それでもあの速度で投げ付ければ骨には届く。
その痛みは無視できるものじゃないぞ?)

133 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:44:57 ID:xEbffN3I0
(;*゚∀゚)(極め付けはさっきの目を狙った攻撃の時だ。
あいつの動体視力なら確実に避けられた筈なのに、あいつは顎に切り傷をおっている)


そう。目の前の男は動きが早すぎるのだ。

戦闘が始まって20分程経過したが、ツーは無傷。
大して男の全身は切り傷だらけで血まみれだ。
にもかかわらず、男の身体には首や目の周りなど、致命傷になりかねない部分は全くの無傷なのだ。
つまり、目の前のこの男、彼は……


(;*゚∀゚)(わざと私の攻撃をくらってる! 一瞬でも反応が遅れたら即死する私の攻撃を! わざと)

134 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:46:33 ID:xEbffN3I0
▼・ェ・▼「ハッ……ハッ……ハッ……ハッ……」


荒々しいパンチング呼吸が静寂に響く。
ツーは確信した。目の前の犬男はただの変態でも、気狂いでも、ましてや自殺願望のあるマゾヒストでもない。


(;*゚∀゚)(こいつ……メチャクチャ強い!!)


その男、被虐趣向。
その男、所詮、駄犬。

しかし、その男……



▼・ェ・▼



―――圧倒的、強者。

135 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:47:55 ID:xEbffN3I0
(;*゚∀゚)(何なんだよ!! こいつ一体何なんだよ!!)

今日という日は何て厄日なのか。
娼婦の皮を被った牝猫は小さく歯ぎしりすると自らの運命を呪いながら、思考の海に溺れていった。





――――――――――――――――






.

136 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:53:06 ID:xEbffN3I0
アマレット・ツーはイタリアのミラノの出身である。
愛らしく、人懐っこい彼女は両親と1つ上の姉の愛情を一身に受け、スクスクと成長した。
経済的にも裕福で、笑いの堪えない幸せな日常を謳歌していた。


だが彼女が9歳の時、悲劇が起こる。


家族4人でショッピングをしていた帰りの出来事である。
彼女が乗っていた軽乗用車に飲酒運転をしていた大型トラックが突っ込んで来たのだ。
その結果、両親、姉と共に即死。
奇跡的にツーは殆ど無傷であったが、彼女の心の傷は想像もできないくらい深いものとなった。

家族を無くしたツーは母方の親戚にあたる、アメリカに住む叔父に引き取られる事となり、イタリアを去りニューヨークの地を踏む事となる。

137 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:54:18 ID:xEbffN3I0
しかし、彼女の不幸はまだ終わらなかった。


40代にして独り身だった彼女の叔父は児童性愛の気があった。
そして皮肉な事に、9歳のツーは叔父の好みにピッタリだったのだ。

叔父はツーを引き取るとすぐさま彼女に悪戯をするようになった。
最初は身体を触る程度だったが1ヶ月もしない内にツーにフェラチオを強要するようになった。

まともな性知識もなく、ただ本能的な恐怖と嫌悪感を感じ、激しく抵抗したツーだったが2、3回殴られると抵抗する気力を無くし、生臭い男の物を小さな口に突っ込まれる事になる。
結局はその後ますます興奮した叔父に挿入までされることとなり、彼女は泣き叫びながら処女を失った。
あまりの痛みに、彼女は失神した。
その後も1週間はまともに歩く事が出来なかった。

138 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:55:32 ID:xEbffN3I0
叔父の性癖は偏っており、挿入よりもむしろフェラチオやイラマチオを好み、ツーに毎晩強要した。
非力な彼女には逆らう術も無く、毎日泣きながらも叔父のペニスを頬張った。

叔父は猿のように腰を振り、ツーの口内に射精した。
飲まないと殴られるので、毎晩頑張って飲み込んだ。


著名なシリアルキラーに多く共通するポイントとして、幼い頃、両親の愛情を充分に得られず、虐待を受けていたものが多いというデータがある。
シリアルキラーの多くは男性ではあるが、この悲惨な幼少期が後にツーを女性の身でありながら残忍なシリアルキラーへと変貌させるきっかけになったのは言うまでも無いだろう。

139 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:56:53 ID:xEbffN3I0
しかし、彼女が13の時。ある転機が訪れる。
皮肉にも叔父がツーの両親と同じ自動車事故に巻き込まれ、しばらくの間は杖無しでは歩けなくなったのだ。
ツーに希望の光が見えた瞬間だった。

歩けない叔父はいつものように寝る前にツーを呼び出しフェラチオをするように命じた。
本来だったら立ち上がり、無理やり喉奥にペニスを突っ込み、ツーが苦悶の表情を浮かべるのを楽しむのだが、骨折している間だけはツーに軽く命令はするものの、無理やりイラマチオをすることは無かった。
ツーは顔色1つ変えずに命令通りに叔父のペニスを口に含み、勃起させた。

快楽にだらしなく顔をとろけさせる叔父の表情をチラリと確認した彼女は、一際大きく口を開け、口いっぱいにペニスを頬張ると

140 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:57:36 ID:xEbffN3I0







―――思いっきり喰いちぎった。







.

141 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 21:58:51 ID:xEbffN3I0
情けなく股ぐらを押さえながら泣き叫ぶ叔父。
ツーを捕まえようにも両足は動かず、杖を掴もうにもあまりの痛みで失神寸前。
ツーはペニスを吐き捨て、口を洗うことも忘れ、一目散に警察に駆け込んだ。
程なくして叔父の悪行がすっかり明るみに出ると彼はペニスを無くしたまま刑務所にぶちこまれる事となり、彼女は叔父の魔の手からようやく開放される事となった。


またこれは余談だが、アメリカの刑務所内では児童性愛者は非常に嫌われており、ヒエラルキーも低い。
するとどうなるのか?
屈強な他の受刑者達に酷いイジメを受ける事となるのだ。

このような刑務所内の情勢もあり、入所してからわずか3ヶ月後。
ツーの叔父、アペロール・トラギコは他の受刑者達にリンチにあって死亡している。

葬儀には誰も来なかった。

142 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:00:02 ID:xEbffN3I0
かくして孤児院に預けられたツーは、間もなくしてある富豪の1家に養子に迎えられる。
何不自由なく暮らしていたツーだったか15の時にその生活は終わりを迎える。

寝ていた義父のペニスを喰いちぎるという気狂いじみた凶行により警察に捕まったためだ。

義父は決してツーを虐待などしていなかったし、ツーも義父の事を家族として愛していた。
しかし、自分の中に生まれた倒錯的な欲望を抑えることは、虐待の結果、精神的に未熟なまま成長した彼女には不可能だったのだ。


年齢のこともあり、直ぐに刑務所から釈放されたツーは俗に言う『たちんぼ』と言われる娼婦に成り下がる。

143 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:01:18 ID:xEbffN3I0
しかし、ここでも彼女は倒錯した欲望捨てきれず、約1年の間に20人の以上のペニスを喰いちぎる。
しかも、捕まる事と大声を出される事を恐れた彼女はペニスを切り取る(もしくは喰いちぎる)と同時に男の喉元を切り裂く事を覚えた。
そして10人目を超えたあたりから彼女はペニスを咀嚼し、飲み込むようになった。

また、彼女の凶行はニューヨーク市内で前代未聞の変態的連続殺人として騒がれることとなり、ニューヨークから逃げ出さざるをえない状況となったのだ。


かくして幼い頃の性的虐待から、残忍なシリアルキラーに堕ちたアマレット・ツー。

彼女は警察の手から逃れる為に、そしてさらなる狩りを続けるために17の時にソウサクシティの『クリムゾンヘッド』の娼婦として働き始めたのだ。

144 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:02:14 ID:xEbffN3I0
今日までは何とか周りの目を誤魔化し、狩りを続けてきた彼女だったが、今日はとにかく運が悪かった。

先ず獲物である客を殺害する様を近くに根城を持つホームレスに目撃され、叫び声を上げられた。
その悲鳴を聞き付け、『クリムゾンヘッド』が『チンコ狩りのホモ野郎』を(とは言っても、実際のところ犯人はツーなので野郎では無い訳だが)捕まえる為に雇ったと思われる傭兵どもが集まって来たのだ。

所詮チンピラ崩れの傭兵どもなど、幾度となく狩りをしてきた彼女の前では敵ではなかったが、そこにさらにイレギュラーが混ざり混んできた。


悲惨な最期を迎えた破壊王、ガリアーノ・クックルだ。

145 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:03:26 ID:xEbffN3I0
そもそもツーは殺人を犯すものの、あくまで叫び声をあげられるのが面倒だから殺しているだけで、正直な話ペニスさえ喰えれば殺人なんかはどうでもよかった。

ただし、クックルは違った。
あまりにも彼女の好み(マッチョで男らしく、自信と強さに溢れている大男)にマッチングしていため、必要以上に時間をかけて嫐り、切り刻んでしまい、あきらかに無駄な体力と時間を使ってしまったのだ。

そして戦利品であるマッチョマンのペニスを咀嚼し、つかの間のオーガズムにひたる彼女の前に……


ついにその男が現れてしまったのだ。

146 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:05:27 ID:xEbffN3I0

▼・ェ・▼


その男、奇妙。


先ず何よりも目につくのはシベリアンハスキーをデフォルメしたような奇妙な被り物。
口以外をすっぽりと隠しており、どう考えても戦闘には不向きな装飾品であった。

そして、その服装である。
痩せ細った上半身は衣服をまとっていない。
首もとには黒い、何かの金属で作られたと思われる首輪をつけており、同じく黒っぽい色の鎖がダラリとぶら下がり、腰元のあたりにベルト代わりと言わんばかりに何重にも巻かれていた。

両胸にはニップルに突き刺さっていると思われる、拳大の髑髏のピアスがぶら下がっており、見ているだけでも痛々しい。

147 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:06:31 ID:xEbffN3I0
下腹部にはデカデカと『Slave』という文字のタトゥーが自己主張しており、彼の価値観が常人のそれとは大きくかけ離れているのが見てとれる。

下半身にはレザーのボンテージパンツ。
そしてその上から組み合わせるかのように革と金属で作られている大きな貞操帯が象の鼻のようにぶら下がっている。
足元はロングタイプのベルトブーツにパンツをインしており、全ての色彩が黒か銀で統一されていた。

彼を見たものは口をそろえてこう、言うであろう。



―――変態(マニアック)。と。

152 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:18:37 ID:xEbffN3I0
(#*゚∀゚)「っらああぁぁ!!」


壁を蹴り、ひたすら跳ね回り、男の死角を探り、隙をみて飛び掛かり爪を横に振るう。
しかし何度振るっても寸前でかわされ、男の肌に浅い傷を作るのみだった。


(*゚∀゚)(……なら!!)


大地を蹴ったツーは『壁に垂直に着地』し、その態勢のまま『重力を無視して駆け抜ける』。
常識では考えられない曲芸のような動きで翻弄せんと男の背後に回った辺りで足をバネにきりもみ回転しながら突っ込む。

153 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:20:48 ID:xEbffN3I0
▼・ェ・▼「わおん!!」

(#*゚∀゚)(チッ……!)


しかし死角からの攻撃にも関わらず犬男は後ろを振り返る事無く後方に身を翻しなから高く跳躍。
男の背中に十字の傷を作るもやはり浅く、決定打を与えるには至らなかった。


▼・ェ・▼「ハッ……ハッ……ハッ……ハッ……」

(;*゚∀゚)「はあ……はあ……」


ツーは焦っていた。自分は無傷だが明らかに体力を消耗し過ぎている。
そして、何より彼女が恐れていた事があった。
それは……

154 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:22:31 ID:xEbffN3I0
(;*゚∀゚)(こいつ……まだ1度も私に反撃してきてない!)


明らかに目の前の男が、自分に対して手加減をしている事。
つまり、犬男はまだ本気で自分と命のやり取りをしていないということだ。
こちらは、もう、何十回と殺しにかかっているというのに本気を出していない相手になんなく避けられているのだ。


(;*゚∀゚)「くそっ……」


勝ち目は無い。恐らく逃げるしか無いだろう。
どのみちこの男との戦闘にあまり時間をかけ過ぎても、応援に来るであろう『クリムゾンヘッド』の傭兵達に捕まってしまったらもとも子もない。
サディストとして有名なハインリッヒに捕らえられたら2度と5体満足で日の目を浴びる事は出来なくなるだろう。

155 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:24:07 ID:xEbffN3I0
どうにかして目の前の犬畜生から逃げ出さねば。
その一心で頭を働かせていたツーだったが……


(;*゚∀゚)(……?)


なんとなく。そうとしか言えない。

もしくは、牝猫の野生の勘としか。
それでもツーは直感的に感じていた。


目の前のマゾヒストの駄犬が、今、静かに覚醒し……


▼・ェ・▼「……」

▼・ェ・▼「……」

▼・ェ・▼「……」

156 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:27:09 ID:xEbffN3I0

▼・ェ・▼「GRUUUUUUUUUUUUAAAAAAAA!!!」

(;*゚∀゚)「!?」



―――サディストの猟犬として牙を剥く瞬間を。



犬男は四つん這いになると同時に咆哮。
猟犬が如くツーに向かい駆け出し、一瞬で懐まで入り込んで来た。


(;*゚∀゚)(さっきよりも速い!?)


瞬時に宙に身を翻し、狂犬の突進をかわしたツーは空中で態勢を立て直し、頭上から両の爪を男の襟首に向かって突き立てる。

157 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:28:27 ID:xEbffN3I0
しかし、思っていたよりも男のスピードは早く、背中に3本爪の傷痕を残す事は出来たが殆どダメージを与える事は出来なかった。


▼・ェ・▼「GRUUUU!!」

(;*゚∀゚)「はやっ……!?」


高速の突進を避けられた男は前足を軸に大地に弧を描きながらターンする。
ブーツがガリガリと音を立てながら地面を擦り、砂煙を巻き上げる。
隙の無い行動に驚きを隠せないツーの首もとに、男は弾丸の如く飛び付き一気に食らい付く。


(#*゚Д゚)「食らうかあああぁぁ!!」


ツーは軽く跳躍すると身体を少々強引に捻りながら犬男の頭を力いっぱい踏みつけた。

158 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:29:56 ID:xEbffN3I0
▼・ェ・▼「!?」


頭を文字通り踏み台にし、向かいの壁に向かって勢いよくバッタのように跳んでいく。


(*゚∀゚)(あんな変態の化物とやりあうなんてゴメンだ!! ここはムカつくけど逃げるが勝ち!!)


そしてあっという間に10メーター以上の距離を跳躍してみせたツーは壁に着地しようと態勢を整えたところで。


(*゚∀゚)(えっ?)




――空中で静止した。



.

159 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:32:30 ID:xEbffN3I0
いや、静止させられたという表現が正しいだろう。
右足に何か冷たく、グイッと強い力で引っ張られているのだ。
停止する思考の中、ツーが足元に視線をやると、そこには鎖に繋がれた何か黒い輪っかのようなものが嵌められていた。


(*゚∀゚)(これって……あいつの首輪……?)


そこまで考えた時、視界が急速にブレた。
右足に抗えない巨大な力でがかかり、身体ごと無理やり引っ張られる。
ツーの身体は風を切るように自身の重心とは真逆の方向に強引に飛ばされ、無様な放物線を描くかのように頭から地面に激突した。
ドゴッと痛々しく鈍い男と共に、砕け散った大地が砂煙となって舞った。

160 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:34:28 ID:xEbffN3I0
(;*##∀ )「がっ……!!」


スパークする視界の中、自身の右足に再び大きな付加がかかるのを感じた。


(;*##Д )「ひっ……やめっ……!?」


時既に遅し。
その男、鬼畜。

右足に枷を嵌められた哀れな牝猫は力任せに引きずられ投げ飛ばされる。
水ヨーヨーを振り回すかのように犬男はツーを軽々しく振り回してみせたのだ。

ぼやける視界、耳に響く暴風。そして全身が粉々になるような衝撃。
口から血が噴水のようにあふれ、呼吸すらままならない。

161 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:36:26 ID:xEbffN3I0
(*##Д#)「」





ガスッ!……ドシン!……ズリズリ……グチャ……ズリズリ……ドシン!





その光景、地獄。
まさに、地獄絵図。

辺りの地面はツーのの血にまみれ、真っ赤な服はズタズタに裂け、ほとんど全裸の状態と変わらなかった。
可愛らしい顔は砂とケロイド状になった傷痕でぐちゃぐちゃで、鼻は陥没。
歯は既に4本は欠けていた。

162 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:38:27 ID:xEbffN3I0
(;*##Д゚)「う……あ……」


辛うじて開いた視界の先に、こちらにゆったりと歩みを進める男の両足が見えた。
既に意識は朦朧としていたが、ツーの闘志は死んではいなかった。


(;*##∀゚)(……そうだ。そのままこっちへ来い)


こんなところで死んでたまるか。
瀕死の身体に力を振り絞り、男が近づいてくるのをただ静かにまった。


(;*##∀゚)(……もう少し!)

163 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:39:55 ID:xEbffN3I0
そして犬男の荒い吐息が自分の首もとに感じた時……


(;*##∀゚)(いまだ!)

(#*##Д゚)「……死ねえええぇぇぇ!!」


既にボロボロとなっているドレスに隠した最後の爪を素早く掴み、持てる力の全てを右手に込めて振るった。
男との距離、目測30センチメートル。
いくら素早い獣でもこの距離では避けられない。
一直線に男の喉元に向かう自身の爪を見送りながら牝猫は勝利を確信した。

164 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:40:36 ID:xEbffN3I0







―――ガリッ。







.

165 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:42:17 ID:xEbffN3I0
(;*##∀゚)(……へ?)



何かが砕けるような音がした。
攻撃をされた? いや、目の前の犬畜生はまだ自分の身体に触れて居ない筈だ。
なら何が折れたのか?何十人もの男の喉をかっ切ってきたがこんな無機質な音はしたことがない。

そうだ、喉だ。喉元だ。あいつの喉はどうなったのだろう? 私の爪はアイツを殺したはずだ。

この間、わずか1秒未満。
おそるおそる自身の爪に視線をやる。



(;*##∀゚)「あはは……嘘だと言ってよ。ハニー・バニー」

166 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:44:01 ID:xEbffN3I0
無かった。

厳密に言うと、刃先がポッキリと折れていたのだ。
そしてゆっくりと視線を上にあげると、犬男の口元が見えた。
ぐちゃぐちゃボリボリと音を立てて何かを咀嚼している。
やがてプッと音を立てながら何かを吐き出した。

それは予想通り、男の血で真っ赤に染まった彼女の爪だった。


(;*##∀ )(あぁ……あぁ……!!)


犬男がゆっくりと口を開いた。
口の中はパッと見ても分かるほどにズタズタに切り裂かれており、血まみれであった。
その痛みはまさに拷問のようなものであろうに、それにも関わらず犬男は口を三日月みたいにニンマリと吊り上げ笑ってみせた。

167 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:45:28 ID:xEbffN3I0
瞬間、ツーは自分の身体が宙に浮くのを感じた。
それが、目の前の犬畜生に自慢の赤髪を引っ張られ、ああ、だから私の身体が浮いていたのか。
と気付いた時には、既にツーの身体は弾丸のような勢いで向かいの壁にぶん投げられ、その衝撃で滝のような血を吐いた後だった。


(;*##Д )「あ……あ……」

重力にしたがってズルリと音を立てながら、めり込んだ壁から大地に崩れ落ちる。

絶望。

重く冷たい言葉がツーの脳裏に浮かんだ。
現に彼女はもう指1本も動かせない、いわゆるツミの状態だ。

168 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:48:59 ID:xEbffN3I0
コツコツと響く男の足音。
チカチカと点滅し、酩酊したかのようにグラグラとボヤける視界。
必死の思いで目を凝らし、ピントを合わせた。


瞬間、ツーはさらに絶望の縁に立たされることとなる。


(;*##Д゚)(うそうそうそうそうそ……嘘でしょ!?)


その男、加虐趣向。
その男、所詮、狂犬。

しかし、その男……



▼・ェ・▼


紛れもない、雄。

169 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:50:16 ID:xEbffN3I0
男は貞操帯を外し、ペニスを露出していた。
それはまだ理解できた。
ここまで痛め付けていてなお殺さないと言うことは、自分の事を犯すつもりなのだろう。
ツーは諦めにも似た覚悟を持っていたので、屈辱的ではあるが、まだ理解は出来たのだ。

では果たして何が問題なのだろうか?




(;*##Д )(あんなもの入る訳無いよ!!)


男のペニスはまるで、何かおぞましい、別の生き物そのものだった。

白人のペニスが大きいのは珍しい事ではない。
スプレー缶サイズから、人によっては女性の腕ほどの大きさを持つ男だっている。

170 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:52:11 ID:xEbffN3I0
しかし、それを差し引いても。
その男、異常。

長さといい、太さといいツーの脚ほどの大きさがあった。
色は赤黒く、根本の方から亀頭に向かい拳大の極太のフレナム・ラダーが規則的に5連を描き、いわゆるカリ首から亀頭にかけてはと呼ばれる部位にはパンクファッションを思わせる鋭いスタッズが四方八方に伸びていた。


(;*##Д )「いや……いやだよ……や……」


涙を流しながら懇願するもツーには抵抗の術はない。
狂犬に狩り取られた哀れな牝猫は、乱暴な手付きでうつ伏せに寝かせられた。
そして臀部の辺りをぐいっと引っ張りあげられ、挿入しやすいように犬男がのし掛かる。
そして徐々に体重を乗せ、互いの性器と性器が口をつけ始める。


(;*##Д;)「ごめんなさいやだやだやだやだごめっごめんなさいやだいやだやなの……」

171 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:53:53 ID:xEbffN3I0



―――さて、ここで問題です。
身長145センチ、体重39キロの小柄な女性のプッシーに、彼女の脚ほどの大きさのトゲ付きペニスを挿入したらどうなるでしょうか?





(;*##Д;)「待って待って!!……やだやだやだやだやだ!!!」


.

172 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:55:21 ID:xEbffN3I0







(;*##Д;)「助けてママアアアアアアアアアアァァァァァ!!!」






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173 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:56:10 ID:xEbffN3I0







▼・ェ・▼「わふぅん」







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174 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 22:57:03 ID:xEbffN3I0





―――ここはソウサクシティ。
アウトローの吹き溜まり、正義が枯れ果てたスラムの街。

満月照らす薄汚いこの街で、狂犬の遠吠えと少女の悲鳴が響いて消えた。




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182 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 23:36:55 ID:xEbffN3I0
Character File No.1

【( ゚∋゚)】

『ガリアーノ・クックル』


身長体重…196/153
年齢…26
性別…男
出身…イタリア
所属グループ…無所属
2つ名…『破壊王』

好きな物…トレーニング、肉類
嫌いな物…得物に頼る弱者


能力名『スレッジハンマー』
自身の筋肉の力を100%引き出す力。
単純だが、強力。戦車ぐらいだったら投げ飛ばす事も可能。


父の死を切っ掛けに弱い自分を捨て、己が拳で成り上がった誇り高きアウトロー。
幼少期はガリガリガリアーノとよくバカにされた。
特定の組織には属さないが、雇われとして『クリムゾンヘッド』の捜索部隊の傭兵となるが、運悪く『アマレット・ツー』と戦闘になる。
スピード重視のスタイルで戦うツーとは相性が悪く、最終的にはサイコロステーキのようにコマ切れにされて死亡。
ちなみにガリアーノとは特徴的なボトルに入ったバニラ風味のリキュールである。

183 :名も無きAAのようです :2015/02/25(水) 23:38:51 ID:xEbffN3I0
Character File No.2

【(*゚∀゚)】

『アマレット・ツー』


身長体重…145/39
年齢…17
性別…女
出身…イタリア
所属グループ…『クリムゾンヘッド』
2つ名…『子猫』、『チンコ狩りのホモ野郎』

好きな物…シリアルキラーの勉強、男のペニス、アマレットミルク、赤い物全般(ただしトマトは除く)
嫌いな物…トマト、大型トラック


能力名『プッシーフット』
重力を無視して壁に垂直に着地したり、かけ上がったりする事ができる。
また、足音を消したりすることも出来る。


虐待がきっかけにシリアルキラーと化した若い娼婦。
普段は妹的な存在で娼婦仲間からは『子猫』と呼ばれ、可愛がられれている。
幼い頃の心的外傷から性的な意味で男性は好きだが深層心理では深く拒絶しているという矛盾した感情を持っている。
殺した人数は74人。
犬男に敗れ、気を失ったところを『クリムゾンヘッド』に回収される。
が、その後、その姿を見たものはいないという。
キャラクターのモチーフは切り裂きジャックで、日本刀を改造した小型ナイフを猫の爪のように挟んで相手を切り刻む。
ちなみにアマレットとは杏仁豆腐みたいな味のリキュールである。







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▼・ェ・▼その男、所詮、『犬』のようです。 TOPへ