( ∀゚キ)ただ漂う……ですリバイバル ( ∀゚キ)烏天狗・前半

1 : ◆I7nIJ7EFj6 :2016/01/05(火) 05:31:45.223 ID:uFtP+WssK.net
( ∀-キ)「……魔縁?」

(和'e')「うむ。人の六道を外れ、外法を身につけた者をそう呼ぶのじゃ」

( ∀-キ)「……化け物退治なら、俺よりおめえさんら……坊さん連中の方が向いてるんじゃねえのかい?」

(和'e')「妖怪であれば。のう」

(和'e')「……無理強いはせんよ」

( ∀゚キ)「……」

(和'e')「こちらの出す条件が、あまりにきつい。と言うのもわかるからのう」
( ∀-キ)「俺が不満なのは条件や相手じゃねえ」

(和'e')「……」

( ∀゚キ)「元々の同胞を、魔縁だのと呼び、他人に始末させようっておめえさんらのドス黒い腹が気に入らねえのさ」

2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 05:52:49.865 ID:uFtP+WssK.net
チョンチョーン!

ながら話を続けに続け
今年かぞえりゃ6年目
お客さっぱり下手商売
ただただ月日を重ねたところで
積もらぬおひねりつまらぬ語り……

へいどうも!毎度毎度の語り屋でござんす

今日のお話は、新春特別企画でやしてね
皆さまご存知の通り、只今ブーン系時代劇祭り開催中となっておりやすが

このアッシも祭りに便乗して、いつものくだらねえながら時代劇をやらして貰おうと
いえいえ。アッシは全うに祭りに出られる立場じゃござんせんから
祭り休止期間中に、裏でこっそりとね……へへ

そういう訳で今回も
転々転覆下手親父
VIPの橋のそのまた端っこ
拍子木叩いて声高らかに

一丁始めさして頂きやす!

チョンチョンチョーン!

あ、ちなみに今回は時間の関係上、二部に分けさしていただく事になりそうでやす
ごめんなすって

シッカリおひねり2重取り!
細工は粒々仕上げをごろうじろ!
ってなもんで。へい

3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 05:55:18.248 ID:uFtP+WssK.net
( ∀゚キ)ただ漂う……ですリバイバル



( ∀゚キ)烏天狗

4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 06:06:15.842 ID:uFtP+WssK.net
闇間に蝋燭一本立てて
向かい合わすは二人の男

(和'e')「今件について何も隠す積もりはない。全てお話した上で仕事にかかってもらいたいのじゃ」

( ∀-キ)「和尚よ。正直に有ることを仏さんに誓えるかい?」

和尚はキッパリ淀みなく
両手を合わせて答えます

(和'e')人「うむ。御仏に誓って、全て話す」

(和'e')「やってくれるかの?痩せ包丁のスカーピン殿……」

( ∀-キ)「ま、一通り話してみな。仕事をやるやらねえはその後だ」

5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 06:21:54.542 ID:uFtP+WssK.net
(和'e')「ではかいつまんで説明する。質問があればなんなりと」

( ∀゚キ)「……」

和尚はずずりと渋茶をすすり
滔々語りを始めやす

そんな描写はお時間の無駄
代わってアッシがポイントを
押さえて語らせて頂きやす

報酬・5両
目的・当寺の腕自慢の修行僧一名と試合をしその鼻を折る事、さらにその後寺保有の霊山に巣食う天狗の討伐
条件・僧衣を着用し、刃物の使用及び霊山への持ち込みを禁ずる

6 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 06:36:32.336 ID:uFtP+WssK.net
(和'e')「昼間に道場を見てもらった通り、我らは仏敵などの脅威に備え」

(和'e')「百年も昔から日々、棒術の研鑽を重ねておる」

( ∀゚キ)「ああ。皆なかなか堂に入ったモンだったな」

(和'e')「その中から毎年一名を選抜し、霊山にて山籠りの修行をさせる事になっておるのじゃが」

(和'e')「実は近年になって、霊山に住まう烏天狗が、山籠りの修行僧を襲うようになったのじゃ」

( ∀゚キ;)「烏天狗?妖怪か?」

ホホホと笑う和尚の言葉は
なんやら妙に他人事

(和'e')「ホホホ、20年も前に修行の為山に入った修験者じゃ。我らの先達よ」

( ∀゚キ)「なんだそりゃ?話して分からんのか?」

7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 06:45:30.403 ID:uFtP+WssK.net
(和'e')「襲われた者はみな、命までは取られんかったが」

(和'e')「山籠りの装備品一式を……有り体に言えば身ぐるみ剥がれて追い返されておる」

( ∀^キ)「坊さんがフルチンで泣きながら逃げ帰ってきた。ってことかい!キーッシッシ!」

こちらのゲスなイケメンは
痩せ包丁のスカーピン
悪辣非道な外道者
武芸の腕はなかなか立つが
どうにも素行が悪すぎて
あちらをふらふらこちらをプカプカ
漂うばかりの嫌われ海月……でござんす

此度の話を聞いてや聞かずや
下卑た笑いは高笑い

8 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 06:53:40.363 ID:uFtP+WssK.net
(和'e')「ホホホ。笑い事ではないんじゃがの」

( ∀^キ)「御坊も笑ってんじゃねえか。身内の不始末だろうに」

(和'e')「とまあそういう訳で、お主には霊山にて天狗を討伐してもらいたい訳じゃがな」

( ∀ーキ;)(スルーしやがった。マイペースな奴……)

(和'e')「霊山に入れるのは、毎年当寺の修行僧一名のみ。女人禁制。光り物も禁止と」

(和'e')「そういう掟がある」

( ∀゚キ)「俺が坊主の格好をして、天狗を誘き寄せて倒す……と」

(和'e')「そうじゃが、問題はもう一つある」

9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 07:06:21.131 ID:uFtP+WssK.net
(和'e')「今年霊山に入る予定であった、単細という者がおるが」

和尚はほう、と一つため息
額を掻いて続けます

(和'e')「これがな。当寺一の腕じゃが堅物でいかん。天狗の操る外法の術には対処できると思えんのじゃ」

( ∀゚キ)「道場棒術を馬鹿にする気はねえが、実戦はまた違うもんだしな。天狗が外法の術とやらを使うなら尚更だ」

(和'e')「ワシも単細坊を諌めたのじゃが聞く耳をもたん。己が天狗を倒し、霊山で悟りを得るのだと」

そこまで聞いてスカーピン
何やらちょいと気づいた様子

( ∀=キ)「ふうん。そうかねぇ?俺にゃ、その単細とやらの考えが見え透けてんだが……」

10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 07:16:28.136 ID:uFtP+WssK.net
(和'e')「スカーピン殿。一つ単細を試合でやり込めてもらいたい。できるかの?」

(和'e')「そうでなければ、あやつは納得せんじゃろうからの。ホホホ」

首をコキリとスカーピン
ニヤニヤにやけたその面に
やらしく光はギョロつく単眼

( ∀゚キ)「ぶっちゃけ余裕だな」

(和'e')「ほほう?痩せ包丁殿は棒術試合にも自信がおありか」

( ∀゚キ)「いんや?」

キシシと下卑た笑いを漏らし
既に何やら悪巧み

( ∀゚キ)「キシシ……試合には自信はねえが」

σ( ∀゚キ)「勝つのは俺だな。単細とやらにゃ、ちょいと泣いて貰うぜ」

11 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 07:25:38.007 ID:uFtP+WssK.net
そして
明けて夕刻。カラスがカァと
鳴いてまもなく日が沈まんという頃

寺の総勢20名
庭に集まり風来坊と対峙

勿論、そこには立派なガタイの
破戒すれすれ乱暴者
寺一番の剛の者
単細坊の姿も見てとれやす

12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 07:39:27.499 ID:uFtP+WssK.net
(単'e')「お主か!わしの修行の邪魔をしようというよそ者武芸者は!」

( ∀-キ)「ま、そうなるな?」

(単'e')「ふざけた格好をしよってからに!当寺を、いや、御仏を笑うつもりか!」

(単'e')「不届き千万!簀巻きにして海へ流してやるわい!」

そう言われても仕方ない
我らが笑う不届き者
試合に臨んだ出で立ちは
真っ黒一色背なに旗差し
旗にゃあまったくご丁寧にも
「色即是空」
なんてぇ嫌み丸出し一文と
ウインク猫の紋章が描かれておりやして

( ∀゚キ)「ジョークだよジョーク。あ、ジョークって言葉は分からんか?この国じゃ」

(単'e')「ぬぅ!お主、潰してくれるわ!」

13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 08:01:06.024 ID:uFtP+WssK.net
すっかり夕闇日が落ちて
代わりに辺りに据えられた
かがりの炎が試合の会場
ゆらゆら仄かに照らします

(和'e')「一本勝負じゃ。双方よいな?」

(単'e')「はい和尚。私が霊山に上がるのです。よそ者には引き取ってもらいます」

(単'e')「息をな……グフフ」

( ∀^キ)「くたばって幽霊になった方が楽に山に登れるかもなァ……キシシ」

軽口たたき痩せ包丁
黒に尽くした外套跳ね揚げ
腰に隠した二丁の短棒
チアリーダーのバトンが如く
くるくる回して……

( ∀゚キ;)「あららっと……」

格好つかず取り落とす
けけけ。スカンピン野郎超ダセエ

( ∀゚キ;)「ありゃ?しまらねえなぁ……どうも」

(和'e')(……こやつ、大丈夫かのう)

おもむろ拾って二刀流
短棒一つの長さは精々
60センチと言ったところでござんす

(単'e')「なんだありゃ!?和尚!試合で二刀流なんて認められんでしょう!?」

涼やか笑って和尚は流す

(和'e')「単細。お主は霊山で外法を使う魔縁と勝負せねばならんのだぞ?二刀流ごときに臆して何とする?」

( ∀゚キ)「ま、びびって引き下がるのが利口だがね?キシシ」

14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 08:12:25.579 ID:uFtP+WssK.net
(単'e')「ふ、ふん。まあよいわ」

(単'e')「そのような紛い物の棒術が、私に通用すると思うなよ?痩せ海月め」

言いながら
六角棒を風車の如く
ブン回しては左の中段
どっしり構えた単細坊

(和'e')「では、始めるぞ?双方、よいな?」

(単'e')「いざ!いざッ!」

┐( ∀-キ)┌「あ~あ。やっぱ始めちまうのかい?ヒントはやったんだぜ?」

ため息混じりにポツリと毒吐き
やれやれとばかりに

┐( ∀ーキ)┌ 「尋常に?ってか?」

(単'e')「勝負じゃあーッ!」

(和'e')「始めッ!!」

16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 08:23:36.150 ID:uFtP+WssK.net
( ∀-キ)「キシシ。早速だが俺の「外法の術」を見せてやらあ」

(単'e')「ぬかせ!」

棒の間合いに入ろうとせず
何やら低身かがみこみ
二丁の短棒横構え
ニヤニヤ不気味に笑っては

( ∀-キ*)「バジュラ……フーンカーンソワカ……」

怪しさ三昧おとろしげ
呪文を唱えるスカーピン

(単'e')「ぬぅ!」

(和'e')(まさか、本当に外法を?そんな訳はあるまいが)


( ∀゚キ*)「行くぜ!スカーピン流「針ネズミの術」だァ!」

17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 08:36:08.085 ID:uFtP+WssK.net
ヽ≡ヾ( ∀^キ*)「オラオラオラあ!」

おもむろに
手にした短棒二本共
相手めがけてぶん投げて
いきなり空手のスカーピン

(;単'e')「ぬ、ヌオッ!こ、こしゃく!卑怯ッ!」

ゴツッ!カィン!

一本だけは脛に中るも
何とかしのいだ単細坊

(;単'e')「ぐ、ぬぬ、しかしお主はもう空手だ……私の勝ちじゃ!」

( ∀゚キ)「阿呆。「針ネズミの術」って言ったろが」

( ∀^キ*)「二本ぽっちで終わるかよっての!ギャハハハハ!!」

言いながら
足下砂地を払えばそこには
数百本もの薪雑端

(和'e')「こやつ、昼のうちに仕込んでおったのか!」

18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 08:48:53.531 ID:uFtP+WssK.net
( ∀^キ*)「二刀流が許されるんなら百刀流でも構わんだろ?」

(和'e')「え……う、うん」

(;単'e')「お、お主ッ!それでも武芸者かっ!和尚もなんか言い返して……」

ヽ≡ヾ( ∀^キ*)「ギャハハハハ!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!」

投げる投げるわ薪雑端
最早試合もなんもない
単細坊は防戦一方
時折当たるは脛、腕、肩
致命的とはならないまでも
既に打撲は数知れず
まともにゃ到底戦えぬ

ヽ≡ヾ( ∀^キ)「にゃはははははは!」

(;和'e')「えーと?スカーピン殿?」

ヽ≡ヾ( ∀゚キ*)「なんだぃ?今楽しい所なんだが?」

ヽ≡ヾ( ∀^キ*)「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!」

19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 09:01:45.058 ID:uFtP+WssK.net
(;和'e')「あの……」

スコーン!

止めるも遅くついに一撃

当たっちゃならねえそこだけは
坊主と言えども大の男にゃ
変わらぬ急所がござんして……
あっちゃ……

股間を押さえて泡を吹く
あわれは寺の剛の者
「棒の単細」誠に残念
別の棒がポキッとな
おまけにタマがプチっとな

いやはや外道のやり口にゃ
笑いに潜んでなんやらと
冷てえ汗が吹き出しやす

ええ。ただ漂う……ですじゃいつものこってす。申し訳ねえ……

(;和'e')「暴れ者で寺を困らせとる単細じゃが」

(;和'e')「なんか哀れに思えてきたぞい……」

20 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 09:16:24.587 ID:uFtP+WssK.net
(単;e;)「…………」


( ∀-キ)「フッ……この痩せ包丁スカーピンの相手にゃ十年早いぜ……」

(;和'e')「お主はまさしく、外法を使う天狗を征伐するにふさわしい……外道だわい……」

坊主連中に抱えられ
手当ての為に去って行く
単細坊のその背中

( ∀゚キ)「とりあえず一件落着だなぁ?キシシ」

(;和'e')「ま、まあ、そう、じゃな」

( ∀゚キ)「単細の奴、俺の二刀を見てそれで完結しやがったな。俺にはまだ武器が沢山ある事を思い付けなかった」

(和'e')「わしらは道場稽古ばかりで、せいぜい試合止まり。実戦などせぬからのう」

(和'e')「そこはわしの指導が足りんと言える結果で、反省せんとならんが」

(和'e')「……お主よ。ろくな死に方せんぞ?」

( ∀^キ)「キシシ」

21 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 09:22:38.235 ID:uFtP+WssK.net
はてさてこちらで前半戦
一つの区切りとさせていただき
後半天狗の討伐の
お話予告でチョイと引っこみ……でござんす

( ∀゚キ;)「なにィ?」

(和'e')「それが外道の術「後光の術」じゃ」

(和'e')「気をつけなされ。痩せ包丁殿?」

22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 09:23:50.746 ID:uFtP+WssK.net
ながら話に長らくお時間
ありがた頂戴、また頂戴!っとくら!

では、後半で

23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/01/05(火) 09:25:24.221 ID:uFtP+WssK.net
( ∀゚キ)ただ漂う……ですリバイバル



( ∀゚キ)烏天狗・前半

終わり。後半へ続く







( ∀゚キ)烏天狗・後半