「凡庸な僕達は決して輝くことなど出来なくて、悲劇のヒロインにもなれなくて、それでも何かを見つけたくて手探りで何かを探す」

91 :ゆゆ ◆AdHxxvnvM. :2015/10/26(月) 03:12:29 ID:nvtMWgKc0

6.「凡庸な僕達は決して輝くことなど出来なくて、悲劇のヒロインにもなれなくて、それでも何かを見つけたくて手探りで何かを探す」
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92 :ゆゆ ◆AdHxxvnvM. :2015/10/26(月) 03:13:14 ID:nvtMWgKc0


 カッターナイフの刃を握り締める。鋭い痛みは血となって掌から零れ落ち、床を濡らした。

 モララーを失ってしまった。私は彼を追えなかった。引き止められなかった。彼の死を、理解することが出来なかった。けれども……

 私はーー


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93 :ゆゆ ◆AdHxxvnvM. :2015/10/26(月) 03:13:57 ID:nvtMWgKc0


 あれも、これも、全て時の垣根の向こうに置いてきた。否、私は置いていかれた。

 何もない、色の無い世界に一人取り残されて、私は生きている。

 それがとても、痛くて、その痛みも時の垣根の向こうに行ってしまうのが怖くて、それでも……

 私はーー


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94 :ゆゆ ◆AdHxxvnvM. :2015/10/26(月) 03:14:46 ID:nvtMWgKc0


 坂を転げ落ちる小石のように、その自壊は、私自身の意志では止められそうになかった。

 全てが笑えてしまう。こんなにも、世界が面白いと思ったのは、いつぶりだろうか。

 楽しくて、愉しくて、だからーー

 私はーー


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95 :ゆゆ ◆AdHxxvnvM. :2015/10/26(月) 03:15:38 ID:nvtMWgKc0


 それは呪いのようでした。

 僕は、呪いによって、生かされているのです。そして……

 死ぬべき時が来るその日まで、何でもないような顔をして、そしてーー


 僕はーー


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96 :ゆゆ ◆AdHxxvnvM. :2015/10/26(月) 03:16:48 ID:nvtMWgKc0


 波が、猜疑も、絶望も流そうとする。俺は懸命に踏みとどまった。

 何も考えなければ楽になると、分かっていながらーー


 俺はーー

97 :ゆゆ ◆AdHxxvnvM. :2015/10/26(月) 03:18:09 ID:nvtMWgKc0





 生きる




 生きてゆく





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98 :ゆゆ ◆AdHxxvnvM. :2015/10/26(月) 03:19:41 ID:nvtMWgKc0

6.「凡庸な僕達は決して輝くことなど出来なくて、悲劇のヒロインにもなれなくて、それでも何かを見つけたくて手探りで何かを探す」


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99 :名も無きAAのようです :2015/10/26(月) 03:21:26 ID:nvtMWgKc0


   生きるようです




   了.


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